「恋しい」は、そばにいない相手を想う、静かな渇望です。
使い慣れた香水の匂いだけが、まだ部屋に残っていた。
嗅覚の残り香で、会えない寂しさと恋しさを間接的に伝える。
今頃、何をしているだろうと、また考えていた。
繰り返し浮かぶ思考として描き、恋しさの持続を伝える。
スマホの画面を、また開いてしまう癖。
文末を名詞で止め、無意識の行動に恋しさをにじませる。
「元気にしてるかな」——それだけを、誰にともなく呟いた。
独り言のような一言だけを残し、多くを語らず恋しさを表す。
並んで見た景色だけが、今も色あせずに残っていた。
共有した景色の記憶に、そばにいない寂しさを預ける。